天井裏・屋根裏の物音は何の動物?足音・鳴き声・時間帯・フンで見分ける

夜の静かな日本の住宅の室内で、木目の天井を下から見上げた写真 害獣駆除コラム

夜、布団に入ったころに天井の上から「トトト」と走る音がする。雨の日でも風のない夜でも続くので、どうやら何かが住みついているらしい。そう気づいても、相手の姿は見えません。何の動物かが分からないままでは、窓口に何と伝えればよいかも決めにくいものです。

この記事では、保健所や自治体の環境部署が公開している資料をもとに、音の種類、聞こえる時間帯、フンのサイズと落ちている様子、家の外に残る跡から、天井裏にいる動物の候補を絞る手がかりを早見表にまとめます。それぞれの動物の詳しい特徴は、動物別のコラムで扱っています。

この記事でわかること

  • 正体を探る前にメモしておきたいこと
  • 音と時間帯から見た、ネズミ・ハクビシン・イタチ・アライグマ・コウモリの違い
  • フンの大きさ・形・落ち方による見分けの目安
  • 候補が絞れたあとの相談先と、法律上の扱いの違い

正体を探る前に、まず記録をつける

天井裏の音は、聞いた直後は印象に残っていても、数日たつとあいまいになります。相談先に状況を説明するときにも、次のような記録があると状況が伝わりやすくなります。

  • 音がした日付と時刻(夕方・深夜・明け方・日中のどれか)
  • 音の種類(走る、かじる、引きずる、鳴く)と、軽いか重いか
  • 音がした場所(どの部屋の上か、壁の中か、床下か)
  • フンやシミ、においに気づいた場所と、その写真
  • 家のまわりで見かけた動物や足跡

天井裏をのぞきたくなっても、点検口から無理に体を入れるのは控えましょう。多摩府中保健所(東京都)のねずみ対策の冊子でも、天井裏や高い所の作業はプロに頼むほうがよいケースがあると書かれています。

音と時間帯で候補を絞る早見表

自治体の資料に書かれている「聞こえ方」と「動く時間帯」を、動物ごとに並べると次のようになります。

動物資料にある音・気づかれ方時間帯・時期の手がかり
ネズミ類かじる「カリカリ、ガリガリ」、走り回る「ドドド、バタバタ」、断熱材の上の「カサカサ」、鳴き声「チューチュー、キーキー」。ハツカネズミは軽い足音主に夜。日没後と夜明け前に活発。人が寝静まった時間や留守の時間に動くことが多い。気温が下がる10〜11月ごろに被害が増える
ハクビシン天井裏から動物らしい大きな足音夜行性。昼間は屋根裏などで休む
イタチ天井裏を走り回ってうるさい、子育てでフンや尿のにおいがひどい繁殖期は4〜8月ごろで、天井裏で子育てをすることがある
アライグマ屋根裏への住みつき、天井裏の糞尿による汚れ夜行性。昼間は屋根裏などで休む
コウモリ(アブラコウモリ)天井裏にフンや尿がたまり、においや汚れが出る。出入りするすき間の下にフンが落ちる日没後に巣から飛び出す

出典:中野区・堺市・多摩府中保健所・東久留米市・東京都環境局・大阪府・京都市の各資料(確認日 2026-10-24)

気をつけたいのは、音の大きさだけでは決めきれないことです。中野区の資料は、ネズミが天井裏を走り回る音を「ドドド」「バタバタバタ」と表しています。重い足音だから大きな動物だ、と早合点せず、時間帯やフンとあわせて考えるのが近道です。

ハクビシンやアライグマは夜に動き、昼は屋根裏などで休むとされます。夕方から夜にかけて音が強まり、昼に静かになるなら、こうした中型の動物も候補に入ります。日が沈むころに家のまわりを小さな影が飛び回っているなら、コウモリを疑ってみましょう。

フンのサイズと、落ちている様子で絞る

音よりも手がかりになりやすいのがフンです。大きさと、散らばっているのか一か所にまとまっているのかを見ます。

動物フンの目安
ドブネズミ丸みがある。10〜20ミリメートル
クマネズミ散らばって落ちる。細長く不ぞろい。6〜10ミリメートル
ハツカネズミ4〜6ミリメートル
アブラコウモリいびつな円柱形で茶褐色。7〜8ミリメートルほどで、虫の破片が混じる
ハクビシン・タヌキ同じ場所にくり返しフンをためる習性(ため糞)がある

出典:中野区・京都市衛生環境研究所・横浜市・東久留米市の資料(確認日 2026-10-24)

京都市衛生環境研究所には、家の中に落ちていたフンをネズミのものではないかと持ち込まれ、調べるとアブラコウモリのものだった例が載っています。アブラコウモリとクマネズミのフンはどちらも5〜10ミリメートル前後で見た目が似ており、虫を食べるコウモリのフンは虫の破片でできている点が違いだと説明されています。

見つけたフンには素手でふれず、定規などを横に並べて撮影するところまでにとどめます。片付け方や消毒の注意点は、フン・尿の掃除を扱う別のコラムで詳しく説明しています。

家の外に残る跡も見ておく

天井裏に入る動物は、外から入り口へ通っています。東京都環境局は、住みついているサインとして次のようなものを挙げています。

  • 雨どいやベランダの一角に、まとまって何かのフンがある
  • 天井にシミができた
  • 夜、庭や屋根の上で見慣れない動物を見かける
  • 庭木の柿やビワなどの果実が食べられている、池の金魚が減る

庭の土に足跡が残っていれば、指の数も手がかりです。東京都環境局の見分け方の資料では、アライグマは指が5本で爪が長く爪の跡がはっきり残り、ハクビシンは指が5本で爪の跡ははっきりしないとされています。東久留米市は、タヌキの指は4本だと説明しています。

入り口の大きさも目安になります。資料によると、クマネズミは1.2センチメートル以上(多摩府中保健所)、イタチは3センチメートル足らず(大阪府・堺市)、ハクビシンは8センチメートル四方(東京都環境局)のすき間から入り込むとされています。

候補が絞れたら、相談先を決める

どの動物かによって、法律上の扱いと相談先が変わります。家ネズミと呼ばれる3種は鳥獣保護管理法の適用を受けない一方、ハクビシン・イタチ・コウモリなど多くの野生の動物は、許可を得ずに捕まえることが禁じられています。アライグマには、外来種を規制する法律の決まりも加わります。こうした法律の仕組みは、鳥獣保護管理法を扱う別のコラムにまとめました。

ネズミの相談は、中野区や堺市のように保健所で受け付けている地域があります。東京都環境局は、ハクビシンやアライグマの相談について、まず区市町村の環境部署や清掃部署に問い合わせるよう案内しています。記録とフンの写真を手元に、何の動物か、どこから入っていそうかを伝えて相談しましょう。

よくある質問

ネズミは主に夜に動きますが、中野区の資料では、安全だと判断すれば昼間も活動することがあるとされています。留守の時間に動くことも多いようです。昼の音だけで決めず、夜の音やフンの大きさとあわせて考えましょう。

そうとは限りません。ネズミは10〜11月ごろ家に入る被害が増え、春先の3月ごろには落ち着くとされるなど、季節で動き方が変わります。入り口がふさがっていなければ、また入り込むおそれがあります。フンやシミの記録は消さずに取っておくと、あとで役に立ちます。

どちらも5〜10ミリメートル前後で見た目が似ています。京都市衛生環境研究所は、コウモリのフンは虫の破片でできている点で見分けられると説明しています。見分けがつかないときは、写真と落ちていた場所の情報を持って保健所や自治体の窓口に相談してください。

まとめ

  • 日時・音の種類・場所・フンの写真を記録してから考える
  • 音の大きさだけでは決めきれない。ネズミでも「ドドド」と聞こえることがある
  • 夜に動いて昼に静かなら中型の動物、日没後の飛ぶ影ならコウモリも候補
  • フンは大きさと、散らばるか一か所にたまるかを見る
  • 何の動物か・どこから入ったかの見当をつけ、保健所や自治体の窓口、専門業者へ相談する

参考にした資料

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