害獣を家に入れないための点検と予防|侵入口・エサ・庭木と忌避剤の限界

住宅の外まわりを点検している手元の写真 害獣駆除コラム

天井裏の物音がおさまった、業者の作業が終わった。そのあとに気になるのが「また入ってこないか」です。動物が家に入りこむのは、すき間があり、食べ物があり、静かに隠れられる場所があるからだと自治体の資料は説明しています。裏を返せば、この3つを住む人の手で減らしていくことが予防の中心になります。

この記事では、保健所や市区の公式資料をもとに、家全体の見回り方、すき間の大きさの目安、エサと庭木の手入れ、そして忌避剤や超音波機器をどう位置づけるかを順に見ていきます。

この記事でわかること

  • 予防の考え方「えさを与えない・巣を作らせない・入口をふさぐ」
  • 屋根から床下、家の中まで、高さ別の見回りの順番
  • 動物ごとに通り抜けられるとされるすき間の大きさ
  • 忌避剤・超音波機器を「補助」と考えたほうがよい理由

予防の考え方は「環境を変える」こと

都の多摩府中保健所は、警戒心が強く学習能力の高いクマネズミには「環境的防除」が効果的だとしています。中身は①えさを与えない ②巣を作らせない ③侵入口をふさぐの3つで、ねずみが暮らしにくい状態を整えて保ち続ける方法です。

この考え方はネズミに限りません。ハクビシンやアライグマについても、船橋市や足立区は、エサになるものを屋外に置かないこと、屋根に上がる足場をなくすこと、入口になる穴を金網などでふさぐことを並べて挙げています。どれか1つではなく、3つを組み合わせて続けるのが基本です。

家全体を高さ別に見回る

上から下へ順番を決めて回ると、見落としが減ります。自治体の資料に出てくる場所を高さごとに並べました。

高さ見ておきたい場所
屋根まわり屋根のすき間、柱と屋根の間、軒裏・軒下の穴。屋根に向かって伸びる庭木の枝もここで確かめる
外壁の中ほど換気口・通気口の格子の欠け、雨戸の戸袋、配管が壁を抜ける部分のまわり、換気扇
地面に近いところ基礎まわりのすき間、床下の穴や通風口、排水管のまわり、車庫のすき間
家の中押入れや引き出し、冷蔵庫やたんすの裏など、巣を作られやすい暗く暖かい所

出典:東京都多摩府中保健所「ねずみ対策」、江東区・船橋市・足立区の公式ページをもとに作成(確認日 2026-10-24)

同保健所の資料には、格子が1本取れた通気口のそばで配線のかじりあとが見つかった例が載っています。フンやかじりあと、通り道に残る黒い汚れの近くにすき間があれば、そこを出入りに使っているとみてよい、というのが保健所の見立てです。気になる場所はスマートフォンで撮影し、日付と場所をメモしておくと、あとで相談するときに説明しやすくなります。

すき間の大きさの目安

小さく見える穴でも、動物によっては十分な通り道になります。資料によって数字に幅があるので、目安として見てください。

動物通り抜けられるとされるすき間資料
クマネズミ1.2cm以上東京都多摩府中保健所
ネズミ人の親指が入るほど(約1.5cm)江東区
ハクビシン頭が入るほど(8cm四方程度)船橋市

出典:各自治体の公式ページ・資料(確認日 2026-10-24)

木材の穴はかじって広げられることもあると保健所は注意しています。数字ちょうどでなくても、指が入るくらいのすき間は記録しておきましょう。

見回りの時期

同じ資料の問答コーナーでは、ねずみの相談は気温が下がる10〜11月ごろに多く、春の3月ごろから少なくなるとされています。冷え込む前の初秋に一度、外まわりを見ておくと手を打ちやすくなります。

ふさぐ前に確かめておくこと

すき間を見つけても、すぐに閉じるのは待ってください。足立区は、家からいなくなったのを確かめてから、ねぐらになった場所の清掃や消毒を行い、そのあとで隙間をふさぐ流れを示しています。中に残ったまま閉じると、閉じ込めたり、別の場所をかじって新しい穴を開けられたりするおそれがあります。

ふさぐ材料として同保健所が挙げているのは、金属タワシ、きっこう金網、外壁用パテです。細長いすき間には丸めた金網を詰める、狭いすき間にはパテを使うなど、場所に合わせて使い分けます。ただし天井裏や高所は危険を伴うため、業者への依頼を考えてよい場所として注意書きが添えられています。脚立や屋根の上での作業は無理をしないでください。

なお船橋市によると、ハクビシンは鳥獣保護管理法のもとで原則として許可なしには捕らえられません。住む人の予防は、入口をふさぐことと寄せつけない工夫までと考えておきましょう。

エサと隠れ場所を減らす

入口をふさいでも、食べ物があれば動物はまた近づいてきます。家の外と中で見直したい点は次のとおりです。

  • 生ごみはふた付きの容器に入れ、こまめに収集に出す
  • ペットの食べ残しや、軒先に置いた野菜を夜まで出しっぱなしにしない
  • 庭の柿などの実は早めに収穫するか網をかけ、落ちた実を残さない
  • 屋根やベランダに届く枝は切っておく
  • 食料品は戸棚や冷蔵庫へ。ねずみは石けんや化学肥料も食べるとされる
  • 紙くずや布切れを物置・押入れにため込まず、ときどき中を確かめる

同じ資料は、人がいなくて静かで、巣の材料になる衣類や紙が残る空き家は、ねずみにとって繁殖しやすい場所になると書いています。長く留守にする家や実家の空き家も、見回りの対象に入れておくと見落としが減ります。

忌避剤・超音波機器の限界

においで遠ざける忌避剤や、超音波を出す機器は手軽に試せます。船橋市は、薄めた木酢液や市販の忌避剤でハクビシンが寄り付きにくくなると紹介しています。江東区も、においや超音波などの忌避剤を「併用すると効果がある場合がある」という書き方にとどめ、その前提として金網やパテで隙間をふさぐことを重要としています。どちらも、入口をふさぐことの代わりとしては扱っていません。

超音波機器の表示については、消費者庁が景品表示法の不実証広告規制の説明で、「超音波や電磁波によってゴキブリやネズミを家から追い出す」と表示したものの、実際には駆除効果が認められず、根拠となるデータも無かったという例を挙げています。事業者が合理的な根拠を示せなければ、その表示は措置命令との関係で不当表示とみなされます(同法第7条第2項)。同規制の指針も、過去の排除命令などの事例から、超音波と電磁波でゴキブリ・ネズミを追い出すとうたう表示を、根拠の提出を求める対象になり得る例に挙げています。

忌避剤や機器は「入口をふさぎ、エサを片付けたうえでの補助」と考えましょう。使うときは、製品の表示にある対象や使用場所、使用上の注意を守ってください。

よくある質問

そうとは言えません。自治体の資料は忌避剤や超音波を補助的なものとして扱い、すき間をふさぐことを対策の中心に置いています。消費者庁も、超音波でネズミを追い出すとうたいながら根拠の無かった表示を不当表示の例として挙げています。

切らなくても、実を早めに収穫して放置しない、網をかける、屋根に届く枝を剪定するといった手入れが自治体の資料で挙げられています。多摩府中保健所は、ねずみが幹を登る場合に、帽子のつばのような輪を幹に付ける方法も紹介しています。

中に動物が残っていたおそれがあります。ふさいだ場所を自分で何度も開け閉めせず、音の時間帯や様子をメモして、住んでいる市区町村の担当窓口や駆除を請け負う業者へ相談しましょう。動物によっては許可なく捕まえられないため、まず種類を確かめることが大切です。

まとめ

  • 予防は「えさを与えない・巣を作らせない・入口をふさぐ」の組み合わせ
  • 屋根まわり→外壁→地面→家の中の順に見回り、気になる所は写真とメモで残す
  • クマネズミは1.2cm、ハクビシンは8cm四方程度のすき間が目安とされる
  • ふさぐのは動物がいなくなったのを確かめてから。高い所は無理をしない
  • 忌避剤・超音波機器は補助。何の動物か・どこから入ったかを確かめ、自治体の窓口か専門の業者に相談する

参考にした資料

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