家に住みつくコウモリ|アブラコウモリの特徴・フンの見分け方と追い出しの考え方

夕暮れの住宅街の空を小さなアブラコウモリが2〜3匹飛んでいる遠景 害獣駆除コラム

夕方、軒先から小さな影がひらひらと飛び出していく。ベランダや玄関の同じ場所に、黒い粒がいつも落ちている。住宅地でこうした様子に気づいたら、家のどこかにコウモリがすみついているのかもしれません。

家に入り込むコウモリの多くはアブラコウモリです。京都市や福岡県などの公開資料をもとに、特徴、ふんの見分け方、法律上の扱い、追い出してから出入口をふさぐまでの順番を整理しました。

この記事でわかること

  • アブラコウモリの大きさ・すみか・活動する時間帯
  • コウモリのふんとネズミのふんを見分けるポイント
  • 鳥獣保護管理法で許可なく捕まえられない動物であること
  • 追い出し→出入口をふさぐ、の順番と作業を避けたい時期

アブラコウモリの特徴

アブラコウモリは、人家のまわりでくらすことから「イエコウモリ」とも呼ばれます。福岡県は、市街地周辺や里山など身近な環境でもっともよく見られるコウモリとしています。京都市の資料では体長70〜105mmと、非常に小さな体をしています。

項目内容
すみか人家の天井裏、高速道路の橋脚の隙間など、人がつくった閉じた空間。多いときは100頭前後の集団になる
活動する時間日没後に巣から飛び出し、街灯のまわりなどを飛び回る
食べ物飛びながら小さな昆虫を食べる。ガや羽アリのほか、蚊やウンカなども
出産6〜7月が出産の時期(福岡県)

出典:京都市 衛生動物だより No.59、福岡県 環境部 自然環境課「アブラコウモリ」(確認日 2026-10-24)

害虫を食べる益獣という一面もありますが、住宅の中にすみつくと話は別です。日没後に巣から出る習性があるため、夕方に軒下や外壁を眺めていると、出入りしている隙間が見つかることがあります。

ふんで見分ける|ネズミとの違い

コウモリに気づくきっかけとして多いのが、ふんです。京都市の衛生動物だよりには、家の中に落ちていた粒を「ネズミのふんでは」と相談したところ、調べるとアブラコウモリのものだった事例が紹介されています。ガレージや壁面の巣の近くに落ちたふんが、ネズミのものと間違われることも多いそうです。

アブラコウモリクマネズミ
大きさ・形5〜10mm前後。事例では7〜8mmのいびつな円柱形で茶褐色5〜10mm前後で、見た目はよく似ている
中身ほとんどが昆虫のかけら(複眼や毛など)さまざまな混ざり物。毛づくろいの習性から、ネズミの毛が多く見つかる
落ちている場所天井裏のほか、出入りに使う隙間の下に落ちて敷地や建物を汚す—

出典:京都市 衛生動物だより No.59・No.27(確認日 2026-10-24)

同じ資料では、水やアルコールに溶いたときの中身で両者を見分けています。表面に虫のかけらが見える、外壁の出入口の真下にまとまって落ちている、といった様子はアブラコウモリを疑う手がかりになります。確かめるときは素手でさわらないようにしましょう。たまったふんの片付けと消毒は、掃除の記事で詳しく扱います。

家に入られたときの被害

京都市の資料によると、アブラコウモリが住宅に入り込むと、天井裏にふん尿がたまり、においや汚れの原因になることがあります。出入口の隙間から外へふんを落とすため、玄関先やベランダ、外壁の下が汚れることもあります。

  • 天井裏にふん尿がたまり、においや天井の汚れにつながる
  • 出入口の真下の床や外壁にふんが積もる
  • 天井裏はふだん目が届かず、気づくのが遅れやすい

多いときは100頭前後の集団になるため、気づいたときには数が多いこともあります。野生動物なので、弱って落ちている個体を見つけても手で触れず、そっとしておきます。

コウモリは許可なく捕まえられない

鳥獣保護管理法は、鳥類と哺乳類に属する野生動物を「鳥獣」とし、許可などがある場合を除いて捕獲や殺傷を禁じています(第8条)。コウモリもこの対象で、京都市は、アブラコウモリは保護された野生動物のため捕獲・殺処分できないと説明しています。北九州市も、専門業者に依頼して捕獲する場合でも県の許可が要るとしています。そのため家庭でとれる方法は、傷つけずに外へ追い出し、戻れないようにすることが中心になります。許可の仕組みの全体は、鳥獣保護管理法の記事にまとめています。

追い出してから出入口をふさぐ

順番を逆にして先に穴をふさぐと、コウモリを中に閉じ込めてしまいます。自治体の資料に共通する流れは次のとおりです。

手順やること
1. 出入口を探す夕方に飛び出す場所、ふんが落ちている真上の隙間を確かめる
2. 追い出す夜、外へ出ていったころを見計らう。市販の忌避剤や、火を使わず煙が出るタイプの殺虫剤を使う、ライトで照らして居心地を悪くする、といった方法が紹介されている
3. ふさぐいなくなった出入口の隙間を、金網や板などでふさぐ。軒下なら、いない時間にネットを張る

出典:京都市 衛生動物だより No.59、北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」、香川県「ヘビやコウモリを見つけたときの対応」(確認日 2026-10-24)

市販品を使うときは、製品の表示に書かれた使い方と注意を守ってください。高い場所の作業は転落のおそれもあるため、無理をしないことが大切です。

作業を避けたい時期

京都市は、7月初旬〜8月中旬の繁殖期に入ると追い払うのが難しくなるため、できるだけこの時期を避けるよう呼びかけています。北九州市も、冬眠の時期と夏の出産の時期は追い出しが難しく、それ以外の時期に対策するほうが効果的としています。繁殖期より前に気づいたなら、早めに手をつけるのが一つの目安です。

相談するときの窓口

コウモリの扱いは自治体によって対応が分かれます。横浜市は市として捕獲や駆除は行っておらず、自分での対処が難しければ専門業者に相談するよう案内しています。香川県も追い払いと侵入の予防は各自で行うよう求めています。一方で、北九州市のように担当課が相談を受け付けている自治体もあります。

  • 対策の進め方の相談:市区町村の環境・鳥獣対策の担当課
  • 捕獲の許可:都道府県の自然環境・鳥獣保護の担当部署
  • 作業を任せたいとき:コウモリの追い出しや侵入口の工事を扱う専門の業者
  • 賃貸住宅:工事の前に管理会社や大家さんへ連絡する

大きさや形はよく似ています。京都市の資料では、中身がほとんど昆虫のかけらならアブラコウモリ、毛やさまざまな混ざり物が多ければネズミと見分けています。落ちている場所が外壁や出入口の真下に集中しているかどうかも手がかりになります。

中にいるまま穴をふさぐと、閉じ込めてしまいます。また7月初旬〜8月中旬の繁殖期は追い払うのが難しいとされています。まず出入口を確かめ、時期や作業の進め方を自治体の窓口や専門の業者に相談してください。

自治体による違いが大きい点です。横浜市や香川県のように、市や県としては取り除く作業を行わず、各自での対処を求めているところもあれば、担当課が相談に乗ってくれるところもあります。住んでいる市区町村のページで確認してください。

まとめ

  • 家に入り込むのは主にアブラコウモリ。体長70〜105mmと小さく、人家の天井裏などで集団になる
  • ふんはクマネズミと似ているが、中身がほぼ昆虫のかけらなのが特徴
  • 鳥獣保護管理法で守られており、許可なく捕まえることはできない
  • 夜に外へ出たころに追い出し、そのあとで出入口をふさぐ。繁殖期や冬眠期の作業は避ける
  • どこから出入りしているかを確かめ、自治体の窓口か専門の業者に相談する

参考にした資料

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